筑波大学 グローバル教育院 エンパワーメント情報学プログラム

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教員・連携体制 | 教員からの声

稲垣 敏之
プログラム責任者
筑波大学副学長
システム情報系 教授

プログラム責任者からのメッセージ

プログラム責任者 稲垣 敏之 副学長・教授

「エンパワーメント情報学」とは、「人の機能を補完し、人とともに協調し、人の機能を拡張する情報学」として、私たちが新しく創設するものであり、つくば型の人間情報学、と位置づけることができます。

筑波大学は、情報・ロボット技術を駆使したリハビリテーションや機能回復、および自立生活支援、自動車運転の安全性・快適性を向上させる人間機械系研究、デバイスアートによる工学者の表現力の高度化など、エンパワーメント情報学に関して世界をリードする実績を有しています。

筑波大学では、「「柔軟な教育研究組織」と「新しい大学の仕組み」を率先して実現する」という基本理念の下で改革に取り組んでおり、特に、教育改革では、国際的互換性のある教育システムの構築を目指しています。

具体的には、教育システムを国際標準である学位プログラム制に移行していく取り組みを推進しています。学位プログラムとは、研究科・専攻といった教育組織ベースではなく、学生に授与する学位に基づいて 必要な教育を組み立てる 教育システムです。この学位プログラムにおける教育に責任を持つ組織として、大学院研究科と同等の機能を持たせた「グローバル教育院」を設置しました。

エンパワーメント情報学プログラムは、複数の研究科や専攻にまたがる分野横断型の学位プログラムとして、このグローバル教育院に置かれています。エンパワーメント情報学プログラムの学生に特化した学生寮であるエンパワー寮の設置、学生が主体的に研究を行い互いに切磋琢磨する場としてのエンパワースタジオの新設など、筑波大学としてエンパワーメント情報学プログラムにおける人材育成を強力にバックアップしています。

岩田 洋夫
プログラムリーダー
システム情報系 教授

プログラムリーダーからのメッセージ

プログラムリーダー 岩田 洋夫 教授

私が1986年に筑波大学に赴任した当時、世界に先駆けて「ハプティックス」すなわち触力覚の提示技術に関する研究領域を立ち上げました。

触力覚は体験しないと理解が困難な感覚であるため、実演という発表形態に重点を置いてきました。その取り組みを通じてこの領域の研究者が増え、2005年にはWorld Hapticsという世界大会を実現させました。

新技術を世に広めるためには、ピアーの枠を超えて広く社会との接点を持たなければなりません。そこで、技術の本質をアートにする「デバイスアート」という表現様式を提唱しました。優れた技術であっても適切に表現しなければ実験室に埋もれてしまいます。グーテンベルグは最初に印刷術を発明した人ではありませんが、フォントとコンテンツの秀逸さによって歴史に名を遺しました。このことは重要な意味を持ちます。

私のこれまでの活動から導き出せる、グローバルリーダーに必要な資質は、技術の本質を適切に表現する「魅せ方力」、体験可能な展示を完成させる「現場力」、そして工学とは異質な評価体系を持つ芸術との「分野横断力」です。これを、人をエンパワーするシステムのデザインという広い枠組みの中で、体系的な人材育成を目指すのが本プログラムです。

山海 嘉之
補完領域サブリーダー
システム情報系 教授

担当教員からのメッセージ

補完領域サブリーダー 山海 嘉之 教授

文科省主導によるグローバルCOE【サイバニクス:人・機械・情報系の融合複合】によって人支援技術分野における未来開拓型人材育成フレームワークや国際教育研究基盤の枠組みが整い、今、学位プログラムとして、人の自立的な生活を支援し人類社会が抱える共通課題の解決に向けた「エンパワーメント情報学」プログラム「補完領域」へと発展してきました。素晴らしいことです。

補完領域では、加齢や疾患や外傷などによって身体機能に障碍(しょうがい)がある方の機能補完を主軸とした領域開拓・人材育成を目的としてカリキュラムが用意されます。

本領域では、人を物理的・認知的に補助・補完するために必要とされる様々な人・ロボット・情報系の融合複合分野の学問領域を習得することに加えて、医学・ビジネス・心理・芸術領域などを分野横断するコースワークや、アドバンストチュートリアル演習など、協調・拡張領域も含めた様々な学びと実践の取り組みを行います。

これを通して、革新的な人支援技術の開発能力と実践的な研究力を同時に培うことが狙いです。

世界規模の課題解決に向けて情熱を持ち世界を牽引するリーディングドクターとして、この学位取得プログラムで自分を鍛えあげてくれるものと期待しています。

稲垣 敏之
協調領域サブリーダー
筑波大学副学長
システム情報系 教授

協調領域サブリーダー 稲垣 敏之 副学長・教授

本プログラムには3本の柱がありますが、そのうちのひとつが「協調」です。ここでいう協調とは、人が接する人工物を人と一体化するように調和させることです。

人工物の例として、自動車の運転支援システムを考えてみましょう。80キロほど離れたところで開催される重要な会議に出席するため、車を運転して移動中であるとします。適度な緊張感もあって自分自身での運転を楽しんでいたところ、前方に予期せぬ渋滞が発生しているのに気づきました。このままでは会議に遅れるかもしれませんので、別ルートを探すことにしました。しかし、これは運転しながらできる作業ではありません。このようなときはシステムが運転を「代行」してくれると助かります。

さて、新しいルートに移って運転を続けているうちに疲れが出てきたとしましょう。もし、足や腰を伸ばしてリフレッシュしようとするなら、ペダル操作から解放される必要があります。速度制御と車間制御の役割をシステムに「分担」させるわけです。また、死角に入っている車に気づかないまま車線変更をしようとしたときは、システムがステアリングを重くするなどしてさりげなく「警告」してくれると助かります。あるいは、先行車が突然急ブレーキをかけたとき、あっと思ったもののブレーキがかけられない場合にシステムが自動ブレーキをかけて「バックアップ」してくれるしくみがあると命拾いします。

このように、人の心身状態や周辺の状況に応じて、機械は人を支援する形態をさまざまに変える必要があります。そのための理論や技術を生み出していこうというのが協調領域の目指すところです。皆さんも一緒に考えてみませんか?

加藤 和彦
拡張領域サブリーダー
システム情報系 教授

拡張領域サブリーダー 加藤 和彦 教授

本学は「新構想大学」として開学し、開学時の大学院は修士課程(2年)と博士課程(5年一貫)に分かれていました。入試も別々、カリキュラム運営も別々に行われていました。私は約30年前に博士課程工学研究科に入学しましたが、幸いにも日本育英会(現在の日本学生支援機構)の奨学生となることができました。奨学生の期間は、大学院期間の全5年間であり、これで5年間、好きな研究に没頭できると、大学院合格と同様かそれ以上に嬉しかったことを覚えています。

また、私が所属していた研究室は、3つの研究室が緩やかに連合していて、教員と学生の自主的な交流が活発でした。そのお陰で私は、自分の専門分野だけでなく、関連3分野に関する知識を学び、また、それらを専門とする素晴らしい先生方や、優秀な先輩・後輩達と議論を戦わせることができました。このような環境が極めて恵まれたものであったことは、私が筑波大学を離れてみてわかったことです。

このエンパワーメントプログラムは、30年前に私が偶然出会うことができた環境を、さらに何倍も「エンパワー」して作られている素晴らしい環境です。研究・教育に加えて自然にまで恵まれたこの環境で、充実した学生生活を送りながら、素晴らしい研究成果を上げると共に、未来のグローバルリーダーにふさわしい人間的な成長を遂げてくれることを願ってやみません。