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第1回EMP Science Café 開催報告

平成30年10月30日に第1回EMP Science Caféを開催した。

「人間情報学とは何か」について、エンパワーメント情報学プログラムに所属する教員と学生が活発に議論を行った。

その中、人間情報学の学位を授与することは、どのような意味があるのか、そもそも人間情報学をどのように定義すべきかついて、教員と学生による白熱した議論が行われた。学生の方から、「人間」という言葉が「情報学」の前につくことにより、従来の情報学と比べてどう異なるのか、また人間学と情報学を隔てるボーダーラインとは何か、そもそも2つの異なる学問が融合すること自体の意義とは何か、などの質問や意見が飛び出し、忌憚のない意見交換が盛んに行われた。その一方、教員側からは人間情報学を学ぶにあたっての方法論とは何か、学際的視点に立脚しつつ異分野の学問同士が融合しあうことでどのような影響がもたらされるのか、また人間情報学という学位を得ることによってどのように社会的貢献につながるのかなど、核心をついた指摘がなされた。工学や芸術などといった異なる背景を持つ学生が交える場で、一人ひとりが自らの研究について改めて考え、手を携えて作り上げる人間情報学という概念を参加者全員が共有できた。

さらに、人間情報学が実社会で応用される際に発揮する実効性や作用に焦点を絞って考えるのみならず、そもそも人間情報学が学問分野としての存在意義についても思索をめぐらせ、哲学的・形而上学の面からも検討していこうという方向に議論が発展した。具体的には、そもそも学問の基盤は哲学と認識学に基づいているため、この二つのベースからいかに人間情報学が生まれたのか、教員としては人間情報学がいかに自らの研究と密接した関係を持ち、学生としては現代社会に生きる人間情報学をいかに学ぶかなどについて、積極的な話し合いが行われた。

サイエンスカフェを通じて、当プログラムに所属する教員・学生達全体が、改めて人間情報学について深く考えることができ、非常に有意義な議論の場であった。