チーム シャンピニオン(1年次 佐藤綱祐さん、髙鳥光さん、西田惇さん)がIVRC2014決勝大会で総合優勝しました。
チーム シャンピニオン(1年次 佐藤綱祐さん、髙鳥光さん、西田惇さん)がIVRC2014決勝大会で総合優勝しました。
2014年の5月〜10月にかけて行われた日本VR学会主催の「国際学生対抗バーチャルリアリティコンテスト」に、EMP履修学生のうち人工知能とバーチャルリアリティに興味を持つ学生(EMP1年次 西田惇、佐藤綱祐、髙鳥光)がチームを組み参加しました。
国際学生対抗バーチャルリアリティコンテストは、インタラクティブ作品の企画・制作・展示を行い、技術や芸術性を競うコンテストです。提供すべきユーザ・エクスペリエンスとは何か、楽しいユーザ・インタラクションとは何か、新しいユーザ・インタフェースとは何かについて日々議論し、この度発表した作品「CHILDHOOD」(チャイルドフード)を制作しました。
これは大人の身体をコドモの身体性へ変換し、世界の圧迫感や物の掴みにくさ、背伸びして覗き込むワクワク感といったような、子供でしか感じ取れない世界や体験を本質的に再現する、これまでにないフード型身体性変換デバイスです。物理的制約のあるカラダを視覚変換機構や手指外骨格で再現し、子供の知覚系を通して世界を理解することで、新たな視点で世界を見渡すことができます。
計4回の審査を通して、作品のコンセプト・技術的新規性・社会的有用性が評価され、100件を超える応募作品の中から総合優勝賞(1位)と、フランスで行われる国際VR展示会”Laval Virtual”派遣賞、並びに企業賞を受賞しました。また最終審査会は経済産業省主催のDigital Content EXPO 2014と併催され、多くのご来場の方々に御支持を頂き一般投票部門で2位となりました。
分野の異なる研究室から参加した学生同士でプロジェクトの企画・設計・実装を行うことで、各人の得意とする能力を最大限に発揮して得ることができた作品と成果であり、今後は国際VR展示会へ向けて、一層作品の完成度を上げてゆく予定です。
私はコンセプト・UXの設計や、身体性変換を実現する要素の一つである手指外骨格の設計と実装、プレゼンテーションやビジュアルアイデンティティを担当しました。遊びで始めたこの作品の意義や在り方を、普段の研究とは全く異なる視点から考える機会はとても新鮮で、作品を制作する過程は新しい表現手法を学ぶ良い機会であったと思います。遊びでありながらも、実際のユーザ・インタフェースの設計では普段の研究と全く同じように、身体運動の計測・解析、シミュレーション実験、3DCAD設計といったプロセスを経ており、実現するまでに非常に多くの労力と時間を費やしました。この度その新規性・有用性が評価され国際展示会に繋がったことを大変嬉しく思うと共に、代表作品にふさわしい完成度まで仕上げてゆきたいと思います。
今年の4月から3人でチームを組み、約半年に渡って作品の企画から製作、デモ展示を行ってきました。結果として総合優勝、Laval Virtual賞、クリスティ・デジタル・テクノロジー賞を頂き、非常に嬉しい限りです。審査委員の方々に作品を評価して頂いただけでなく、一般の方々にも楽しんでいただけるような作品であったと思います。これは期間中、一般来場者による投票によって決定される未来観客賞において2位であったことが表わしていると思います。”CHILDHOOD”は今回のIVRCだけで終わらせることなく、Laval Virtualに参加して国際的により多くの方に体験して頂いたり、実社会に貢献できるように発信をしていきたいと考えております。
書類審査通過後から一貫して、自然な身体動作を保存しながら大人の目線を子供の目線に変換する「視覚変換機構」の設計と実装を担当しております。実装アイデアを洗練していく過程では、この企画で実現したいコンセプトや意義にまで立ち戻って議論することが何度もありました。議論が白熱する分だけ考えが収束するまでに時間はかかりますが、明確な思想を持った目的駆動型の開発をチーム一丸となって進めていくのは非常に楽しく、それぞれの持ち寄ったアイデアが具体的な形になっていくことが大きな喜びとして感じられました。このような貴重な経験ができる恵まれた環境に自分自身が置かれていることに感謝しつつ、今回の大会で本企画について戴いた評価に満足すること無く、次の国際展示会に向けて体験の改善を続けていこうと思います。
VR学会大会におけるオーガナイズドセッションの様子
関連URL
CHILDHOODホームページ:http://childhoodproject.org
IVRCホームページ:http://ivrc.net/2014/
IVRC2014東京本選フォトレポート:https://media.dmm-make.com/item/2687/
メディア掲載情報
【DC EXPO TV】
10月26日(日)16:00-16:20
展示レポート6「OcuFes / TOP GUN PROJECT / IVRC」
※ 26:04 – 30:06 チームシャンピニオン出演
http://www.Ustream.tv/recorded/54501195
【日本テレビ SENSORS】
11月3日(土)25:50 – 26:20
http://www.sensors.jp/topics/expo_2014.html
【Ouest France】(フランス日刊紙)
http://www.ouest-france.fr/laval-virtual-2015-deux-projets-reperes-tokyo-et-vancouver-2992859