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2014年10月28日(火)19:30 – 20:30:3B310:The 2nd meeting of EMP Seminar Series NTT コミュニケーション科学基礎研究所 研究員 浅井 智久 先生 講演会のご案内

The 2nd meeting of EMP Seminar Series
NTT コミュニケーション科学基礎研究所 研究員 浅井 智久 先生 講演会のご案内

以下の要領で第2回 EMP Seminar Series を開催いたします。皆様、奮ってご参加ください。

世話人:井澤 淳 (システム情報系 准教授)
日時 (Date and Time):10/28(Tue) 19:30~20:30
場所 (Venue):3B310室

浅井 智久 先生

https://sites.google.com/a/psybox.org/asai/

タイトル:運動が生み出す「自己」と「他者」

講演内容:
「わたし」という感覚の起源については古くから議論されてきた永遠の謎である。自己あるいは他者といった感覚や,自他間のコミュニケーションが実現するためには,少なくとも自己・他者といった表象がまず脳内で獲得されている必要がある。近年の研究では,この自他表象が,運動情報をもとにして実現されている可能性が議論されてきた。

例えば,自己という表象(自己感,自己意識)の成り立ちを考えた場合に,私たちは,自分自身の運動に対する感覚フィードバックを通じて初めて,「自己」を認識できる可能性が議論されている(再帰性の自己意識)。しかしながら,外的に入力されることになる刺激は基本的に発生源が未知で(例えば,自己由来vs環境由来),ノイズが含まれている場合も多い。

そこで私たちには,入力されてくる刺激から自己由来の成分を取り出すメカニズムが備わっていると考えられる(内部モデル,順モデル)。これをもとに,自己・他者・環境とラベル付けされた感覚入力をそれぞれ利用することで,最終的にインタラクティブな世界の表象が構成されているはずである。本発表では,運動の感覚フィードバックから,①自己由来成分を取り出し自己へ帰属するためのメカニズムと,②そのメカニズムが障害されている可能性のある統合失調症との関連性について,行動実験の結果をもとに議論したい。